【宵月暁陽第六十九話『解呪』更新】
時間が! 時間が!
さっくりと参りましょう。下の小話を書いていたら時間ばっかり掛かってしまいました。ついでに風邪をどこかで貰って来てしまったようで頭痛と咳とが抜けず、多分自分は一人暮らしとか出来ないんだろうなとしみじみ思ったりしています。
さて。
宵月暁陽第六十九話『解呪』を更新致しました!
あの流れで副題がこれときたらああだろう、な、わかりやすめな名前かしらと思いつつ。
以下恒例のあれこれです。今回は魔法構築についてをやんわりと。
四則計算な魔法構築
言うて難しい話は出来ませんですが。どんな公式が出てくるのかなワクワクと期待していた方がいらっしゃったら申し訳ありません、陽雪は『算数が』出来ません。高校で数学の単位落としかけました。
ってくらい数学はできないので、基本簡単に表記されています。実際にはこの操作自体に公式が当てられていて、しかも公式に対して構築陣を構成する為の表裏公式と言うものが決定されなければならずしかもその表裏公式は無数にあり、そのうえでそれら二つの公式に沿った魔力の制御が必要になるのですが、魔法使いじゃないのでそこは詳しくなくていいかなと思います。
ふ、ファンタジーだし。SFじゃないし。現実に再現できなくても仕方ないのです……魔法なんだし……。
魔法とはなんたるか、は、もうここまで来ると改めて言葉を尽くす意味も無い気もしますが、魔法とは知識です。ですが知識のままでは魔法にはなり得ません。
世の魔法使い達は知識をどうやって魔法にしているのか。知識と魔法の境目とは、魔法構築があるかないかで決まります。
魔法は構築されるものです。何によって構築されるかと言えば文字と数字です。プログラミング、というより、それかそhtmlのようなものを思っていただければ大体正解なのですが、文字や数字で構築したものを一つに纏めて魔力という動力を与えることで魔法になる、が、一番わかりやすく、また一番野蛮な説明になるかと思われます。
……正直なところ魔法構築を詳細に言葉にするのは中々骨の折れる作業で、魔法使い達も中々言葉としては認識できない部分もあるのです。それを言葉にというと、やはり難しいのですが。
htmlを例に取りましょう。htmlではタグと呼ばれる文字列を組み合わせ、一つのファイルとしてデータを保存します。それをブラウザで開く事で、webページとして表示される、と、簡単に言えばそんな感じなのですが。
魔法も似たようなもので、魔法を構成する要素や手順を書き出し、書き出したものを魔力という動力を使って『開く』事で、魔法になります。
この開く、というのが、難しいのですが。実行する、が一番近いように思います。プログラムを走らせるだとか。
さて、魔法構築は工程数によってやることが大体決まっています。
第一工程ではまず『門の定理』というものを設定、確定します。これは、これからの記述は魔法であるという宣言、また、その魔法はどの属性のどのような性質を持つものか、を宣言するものです。性質とはつまり系統の事。攻撃系統なのか補助系統なのか、また攻撃系統であっても魔法が積極的に攻撃を仕掛けるものなのか術者が攻撃性を制御するものなのかあるいは設置型の罠と変わらないものなのか、など、割と細かく決められています。門は『第一の定理』から確か『第八十六の定理』くらいまであったはずです。
門を決めたら次。第二工程から全体の肯定の半分くらいまでを使って魔力の操作を行います。魔力操作は公式に従って行いますので、実際にはその公式を記述する事になります。公式は大まかに二つに分けて『スフィラ公式』と『ディスファル公式』に分かれます。スフィラ公式では最初に魔法を発動するために用意した魔力(初期グラスィア/Ggs)を増幅させ、ディスファル公式ではその増幅された魔力の中から『純粋な魔力(グラスィア/gs)』を抽出します。
通常、魔法使いが体内に蓄積している魔力はそのままでは魔法に適しません、氣のバランスがガタガタなので。魔法構築を通してその魔法に適した形に整えていかなくてはなりませんが、その工程がスフィラ公式とディスファル公式ですね。構築陣はこのスフィラとディスファルの公式で形が決まりますが(そのためこの二つの公式も実際には大量の種類がある)、魔力は純度が高ければ高いほど、循環させる事によってその力を高めます。スフィラは主にその循環の部分であり、ディスファルは循環、増幅された魔力の中から純グラスィア、つまり魔法に適した魔力を抜き出す役割を持ちます。
尚スフィラは1掛ける事でグラスィアが2倍になります。1のスフィラは大体1cmの曲線あるいは直線を描き、通常構築の中では一気に50とか100とかを掛けます。「gs*2^100」とかになるわけですね。
また、ディスファルは1掛けることで構築上の魔力の数値は1/10になります。これは増幅されたものの中から十に一つのものを選別しあとは捨てている、といった感じです。捨てられた魔力は構築陣の外に弾き出され、これが構築陣が光で描かれているように見える、の正体です。数値上では減衰しているように見えますが、実際には特に澄んだ部分だけを選んでおり、澄んでいる分力が強いので、グラスィアの減衰は起こっていませんし、回数を重ねるごとに増幅していきます。
どうして1/10になるのかは、「混グラスィアから純グラスィアを錬成する時の精製効率が10%だから」です。魔法使いが魔法を倣い始めて一番に練習するのはスフィラとディスファルの制御なのですが、この訓練を怠ると精製効率が8%や7%と落ちてしまう。スフィラもディスファルも基本的には宝珠が演算してくれますが、その制御は術者の能力に依存します。上限が10%で打ち止めなのは、宝珠の限界性能がそこだからですね。11%や12%にという研究も行われていますが、とにかく工学師の数が少ないということもあって、中々研究も進んでいません。
この「制御」というものは、ホースから思いっきり噴き出してきた水をどう纏めるか、という感じに近いやもしれません。フェルは道を作るような、ヴァルディアは紐を編むような感じと、人によって違います。
スフィラ、ディスファル公式の魔力操作は全行程の半分まで。それが終わると、次は『定理』とよばれるもので魔法自体の姿形や性質を作っていきます。これも色々あるのですが全部で幾つあるのかも不明なほど。定理の次が『文字』で、これは魔法の環境を整えたり、詠唱文に影響を与えます。このあたりは古代語が解る魔法使いは古代語を、そうでない場合は共通語による単語を分解して記述します。この定理と文字には公式は無く、また特別な縛りもありませんが、気をつけないと魔法の効力が自分自身から離れずに自分だけを巻き込んで終わる、という事故もあり得るので、こうしておくといい、な定石は存在します。
本当は構築を実際に見ながら、と出来れば良かったんですがちょっとエクセルをhtmlに落とし込むのどうしようかと悩んでいたら時間が。なにかこう、上手いやり方はないものか。Dropboxだとダウンロードになってしまうのですよね……。
ひとまずhtmとして保存、リンクを張っておく事にします。魔法使い達の言う校正を行っていないので、非常に数値部分は汚いのですが。
そんなわけで文字だけですがざっくりと魔法構築でした。また今度詳しく出来たら良いな。
今回はここまで。陽雪でした。