容姿
ローブがなければ一見してもよくよく見ても魔法使いには見えない魔導師。しっかりと鍛えられて作り込まれているように見える体躯はその実ほとんどが種族特性の恩恵によるもので、紫旗師団の激務の中で走り回っていたら自然とこうなった、が本人の言い分である。
結果ローブを着ていてさえ魔導師には見られなくなりつつある。
紅色の瞳に、濃い深い青の髪は首の後ろで適当に括ってまとめている。魔導師らしく様々な色の珠を繋いで身につけているが、装身具というよりも単純に色の補いに使っているだけであって、団長であるクォルクのように整った装いとは言い難い。
副団長、という立場に甘えている、と公言する程もあってか、あるいは単に魔導師の気紛れと天邪鬼なのか、藍色の制服は最低限崩さない程度であって余計しっかりとした空気は見かけからは見受けられない。性格とも真反対のそれは、おそらく服飾に興味が無いだけなのだろうが。
詳細
紫旗師団の魔導師長として副団長を兼務する堅実な魔導師、と外部からは評される人物だが、実のところは猫を被るのが異様に上手いだけの中年、という部下の評が正しい。
仕事・任務においては外部からの「堅実」の印象に相応しく、丁寧に着実に何事もこなしていく。護衛任務が主となる紫旗においては、細かすぎるとも言える采配が功を重ね、団長を退くにあたっては国王から勲章と称号を下賜されているが、本人はそれについては良いとも悪いとも思ってはいないらしい。
心配性ではあるのだが世話下手で、特に子供相手だとまず外見で怖がられてしまって近付くとと泣く・逃げる・固まるという事を何度も繰り返しているため万が一子供が近くに居る場合には彫像に徹する事にしているらしい。慣れさえしてくれれば遊び相手には最適だろうにとは本人の呟きだが、実際のところは不明である。
クォルク以前に二年間団長として紫旗を率いていたが、自身で引き入れたクォルクが育ちきった、と判断して「龍泉」を譲った。そのまま退団するつもりだったが部下とクォルクに引き止められる形で副団長の位置に収まってからというもの、事あるごとに部下を煽り団長を煽り面白そうに笑っている嫌味な立場を作り上げて居座っている。指導する立場としての天邪鬼だろう、と部下の大半は諦めながら、それでも敬意を向けられている事には変わり無い。