容姿
髪と蔦が一体になったような髪を持つ、幻と花の種族ルクィアの色濃い姿の黒服。長い髪に絡んだ蔦からは桃色の花が咲いており、気候や天気、あるいは宿主の機嫌や体調によって蕾から満開まで姿を変える。
萎れる事も枯れる事もない花は幻花であり、蔦もまた幻によって映し出されてだけのものであるが、ほとんどの人間には本物の花と遜色無く眼にする事が出来、また触れる事も出来る。切り落とせば跡形も無く消え、また即座に新たに現れるが、多少の痛みも生ずる為に不用意に触れられるのは好まない。
髪は纏めて結っている事も、何もせず背に流している事もある。相方の手によって弄られた日は蔦が冠のように額に巻かれている事もあるが、好きにさせているのかあるいは逆らえないのか、作られたそれを自分の手で崩すという事も無い。
装飾品は表に出して見せているものは少ないが、腕輪やペンダント、或いはベルトに宝石を繋いだチェーンを垂らす等、ローブの下には数多い。その全てが魔法行使の補助として身につけられている物で、純粋に装身具として何かを身につける事は好まないらしい。
詳細
幻と花の種族、木に特化したルクィアの出自。魔法特性の高い種族として知られ、ルクィアの正統純血であるゼルフィアもまた高い魔力特性と親和性を持ち、蒼樹所属の黒服として活動する。
魔導師としての腕は確かで、仮に現長官が退けばその後にはと言われる人物ではあるが、魔導師階級は十に止まっている。十二法師の階級試験を受けても突破は容易いだろうとは言われているものの、今のところそれに挑戦する様子は見受けられず、その理由も不明のまま。
自身の好みに正直で、好きは好き嫌いは嫌いと言葉にする事も憚らない。だがそれを楯に他人を攻撃する事や擁護する事も無く、周囲にも嗜好で人を見るような向きは薄い為にかなり我侭が利いて楽だ、とは、本人の談。特に拘るのは香の種類と紅茶の銘柄、水の種類。
種族としての属性は木だが、木には不可欠な存在である水を尊重するルクィアの性質故か、それを指す言葉を多く使い、或いは水を無駄に浪費するような行いも嫌う。
また自身の身を維持する為にも多量の水を必要とし、日に数時間は水に触れていなければならないのは流石に面倒らしいが、周囲もそういうものとして受け取っている為に欠かされる事は殆ど無い。普段は睡眠の時間をそれに宛て、故に彼は半ば水に没した状態で眠るのだが、その様子を良く目にする相方のエレッセア曰く「真冬に氷薄く張ってる中で寝てるの見るとさすがに死んでるかなってちょっと思う」らしい。本人はそれが理由で体調を崩す事も無いのだが。
相方の白服エレッセアが学院卒の若年という事もあり、その指導も度々交えながらの二人行動を行う。任務では最近二人のみで当たる事が増え、大変だ、とは茶化しながら語っている。