容姿
深紅の髪は長く強く癖を持ち、ハーフアップに纏めて銀の髪留めで押さえても肩から溢れて広がる、細身に整えられた黒のローブと垂れたとりどりの宝飾品に艶美な色を被せかけた立ち姿。
魔女、という呼び名の珍しく相応しい立ち居振る舞いに、男にしても乱雑な物言い、言葉遣いと仕草を艶な声に乗せる、どこかちぐはぐに受け取れる空気を持つ人物。
大きく豪奢な耳飾りと首飾りに始まり、全身に隙無く様々な宝飾を従える。黒い中で金銀に始まり青や赤、紫も藍も輝かせながら、全く何の齟齬も生まずに平衡を生む。一つでも欠ければ即座に成り立たなくなる魔法そのものを纏っているに等しい。
完成された立ち姿とは真反対に、性格やら言動やらには棘が目立つ。嗜好を覆い隠さず、悪辣な語彙であろうと口にする事を躊躇わないため争いも生みやすい。
それも含めて『魔女』である、その雰囲気そのものであるのだが。
詳細
トーレは火に特化した魔法適性の高い種族。特に火属性に高い親和性を有し、その深紅を色濃く継いだベルエンディも非常に精密な魔法を編み、また膨大な熱量を操る事に長けている。
ただその扱う魔法の強大且つ巨大な事が災いして、白黒のいずれかと共に行動するには向かず単独任務が主となっている。実力は相当なものなのだが、その実力故に白と共にも行動出来ない例は珍しく、それについては本人もどうなのかとは思っているらしいが、思っているだけなのか改善の兆しは無い。
服飾、宝飾については一家言あるらしく、目利きにも長けており、とある街の宝飾市の端から端まで行脚しては贋作を言い当てて回った挙句に一番高値のものを値切りに値切って手に入れた、という逸話まである。本人はその話の真贋についてはただ面白そうに笑うだけで、真実とも虚構とも答えないが。
物言いは乱雑極まりなく遠慮もないが、故に蒼樹の女性陣の服装や髪型にもしょっちゅう口を出しては勝手に改変し改造し満足するまで作り続け、その結果も的確である為ある種の相談役のような役回りを押し付けられるようになっている。
本人は面倒だと突っぱねようとはしているものの、話を持ちかけられれば反応せざるを得ないらしい。