容姿
灰色の長い髪を丁寧に結い、帽子と布飾り、組紐で飾った姿。左の耳、顎から頬を越え、鼻梁を越えて薄く刻印が広がっている。
炎のような花吹雪のようなその薄いものは刺青でも痣でもなく、エルシャリスの種族には皆揃いのもの。本来それは、瞳の色と同じであるはずなのだが。
普段からローブを身につけ魔導師としての装いを崩しはしない。かといって街の依頼を叶えるような事もしていない、隠棲しているにしては現世的な立ち居振る舞いの魔法使い。
それらしい装身具は見当たらないが、ローブや衣服には隙間無く刺繍が施されている。宝石から紡ぐ特別な糸と石そのものを織り込む手法から表立っては見えないが、身につける宝飾品は多い。
普段から笑みを崩さない、その表情が動じもしない一種異様な空気も従えるが。
詳細
本名はクウィリア・レティスィス・ラースリアリィトゥア=カルツィア・エラールアスシェルス。エイレス(長命種)の中でも特に長命である時の種族エルシャリスの出自。顔の刻印はエルシャリスとして成熟している事を示している。
元蒼樹協会の黒服であり、ヴァルディアやリアファイドらとは同窓の学友の関係にもある。紫樹学院を卒業したのちに僅かに蒼樹協会に所属し、その関係で今は蒼樹の街の一郭に隠棲している。
友人であるリアファイドやスィナルにも何処に居るのかを明かさず、魔導師やエルシャリスの名も出さないまま、あまり依頼も無い時計技師として振舞っている為、捜索されても安全だろう場所を確立しているあたり厄介だ、とは、当の彼女を半ば匿う形になっているヴァルディアの言。どうして長官がそうしているのか、その理由も謎のまま。
『鍵語』という存在を追い求めすぎた結果、人道道徳倫理に反し一族から放逐された身。追放と同時にそれまでに得ていた魔法の知識や技術の一切を剥奪されており、それによって一つだけの『鍵語』を得ているが、以来『鍵語』への追求はなりを潜めている。
ヴァルディアとは学院時代からの友人。クロウィルとは既知だそうだが、経緯は不明。異様に人脈が広いが、そのきっかけや経緯について語りたがる人は皆無。