容姿
長い朱色の髪を丁寧に結い上げピンと髪紐で丁寧に留め、白い制服を丁寧に纏う、騎士としての立ち居振る舞いの見事な姿。
上背があり、また背の伸びた姿勢の中でも女性の色も殺さず兼ね備えている。体付きは騎士らしくしっかりと作り込まれてはいるが、それでも無骨な空気には繋がらない。
装身具は女騎士らしく、男のそれに比べれば色も数も多い。白服の上にも見える大振りな首飾りは守り石の入った鈴が垂れ、渇いた涼しい音が特徴的。
指輪は剣を扱うには邪魔になるからと白い制服では身に着けないが、腕輪や組紐等で飾る事も多い。クロークを押さえる留め金には多色の組紐を編んだ帯を渡して背を飾るなどもしており、洒落者の面も見える。
従える空気は明るい垢抜けた性格のそのままに、裏表のない接しやすい印象。
詳細
蒼樹に入って暫くの、女騎士の中では中堅の部類に入る一人。
十年ほど前、それまで絶対数の少なかった女騎士の台頭の時期に一時、国王軍、南の侯爵の紅軍に志願し公爵を主としていたが、その主君の強い勧めもあり協会に転向、以来蒼樹で白服として対『異種』戦闘の最前線に参与する事になったという経緯を持つ。
紅軍を離れた理由は積極的には語る事は無いが、あまり良い印象は残っていない様子からも、周囲が穿鑿する事も無い。元主君である公爵に対する感謝の念はある様子だが。
何故か階梯試験を固辞し続け、実力に見合わない、かなり劣ったように受け取られかねない九階梯に望んで止まっている。任務は単独を主として、高難度の『異種』討伐も安定した結果を出しているなど、評価としては十や十一階梯にも劣らない。
同僚である白服や黒服達にも信頼される一人であり、それは本人も満更ではない様子を見せる。特に女騎士達の中では好かれた存在で、ある種取り纏めのような役回りも担っている。
騎士であり、また裁縫や料理といった家事炊事全般をそつなくこなす器用な一人。剣に傾注しそれらを苦手なまま来てしまった周囲の為にと余暇を使って裁縫を教えたり、あるいは手伝ったりと忙しそうにしているが、それも楽しい様子である。